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畳の施工事例

works 05 『移築した民家に、琉球畳』

民家再生と琉球畳

古民家再生の琉球畳

Information

畳表:市松敷き琉球畳
畳床:建材畳(新規)
広さ:7.5畳+6畳
場所:神奈川県

O設計室の大沢匠さんが手がけた移築民家の事例紹介です。縁側やひとつながりの間取り、小屋組といった移築前の建物が持っていた特徴を存分に生かしながら、現代的な雰囲気が漂っています。設計者の建築家・大沢匠さんにお話を伺いました。

畳をお使いになって(設計者様よりメッセージ)

 建主にとって幼い頃からの思い出の別荘を鎌倉に移築して新たなゲストハウスとして再生しました。東西に並んだ3部屋のうち手前の2部屋の間仕切りと天井を取り払って広々とした寛ぎの居間空間にしました。手前には囲炉裏テーブルの椅子座スタイル、一段上がった奥は畳の座のスタイルと室内に変化を付けています。

 この写真の左側にはキッチンがあるのですがキッチンの床をさらに30センチほど低くしてキッチンに立つ奥様の視線が椅子に坐る人、畳に坐る人と同じ高さになるように設定しました。これは椅子座と畳座が同居する場合の視線の不自然さを解消する一つの提案ですが、奥様からはここから眺める庭も最高ですというお言葉を頂きました。

 襖の向こうの奥座敷は昔のままを再現して縁付の畳を敷きましたが手前は縁無しの琉球畳を半帖で市松に敷きました。縁側からの光の加減でその市松模様が浮き上がる様子はとても素適です。

 畳を製作する前に現場寸法を計測して記帳する作業です。作業が思った以上に細かいのに驚きました。部屋の寸法はレーザー光線が飛ぶ機械を使って計測します。これによって部屋の歪みも含めて計測するので正確な寸法の畳が出来ます。

 その他床の高さ、どこに襖があるかなどを加味してミリ単位で畳の厚さを部分的に変える指示を記帳していきます。今回は岡田社長自ら鎌倉まで出張して計測と敷き込みを行ってくれました。

 琉球畳の敷き込みでは角の部分を糸と針で縫い直して調整をする様子をつぶさに見せていただきましたが、昔道端で畳屋さんが糸で縫う姿を思い起こしてとても懐かし感じがしました。

 

O設計室のご案内

代表取締役・所長 大沢 匠(一級建築士)

1946年 東京都生まれ。
日本大学理工学部建築学科卒業後、1977年に O設計室を設立。
住宅を中心に様々な仕事を手掛ける。
現在千葉大学、城西国際大学にて講師を勤める。
日本民家再生リサイクル協会 常任理事。
「民家の学校」校長。

所属:日本建築学会、道具学会。生活文化史学会

ホームページ:
http://www.o-sekkei.com/

『自然の恩恵を受け営まれてきた生活、その中で育まれた人の心。建築は自然と共生し心を大切に育んでゆくものでありたい。このような思いで、人の歴史、心を大切にする建築を提案しています。』