



2007年7月
いよいよ収穫。今年のい草はどうでしょうか。
7月に入り、いよいよい草の収穫の時期がやってまいりました。収穫を目前にしたい草田んぼには、人の背丈程もあるい草がびっしりと並び、風に吹かれて波うっています。
収穫を目前に、九州全域が台風の豪雨に見舞われ心配でしたが、八代のい草は大きな被害を受けずにすんだそうです。
今年は暖冬、春先の冷え込みなど、いろいろ心配の種が多かったのですが、最終的にどのようない草が育ったのでしょうか。
「6~7月にかけて雨が多かったため、昨年の2割程多く収穫されています。成長がよく、長い草も多いのですが、茎が柔らかめになる、根白が上がる(根元の部分の色が抜ける)といった傾向があります。こうした品質に関する特徴は、生産者による違いの方が大きいですね。」
先月のお話で、長い草の方が良い畳表を織るには適しているとお伝えしましたが、根白の部分を切らずにそのまま織るか、根白の部分を落として織るかで、品質が大きく変わってくるそうです。
収穫は刈り取ったい草が痛まないように、気温が上がらない早朝に行なわれ、7~8時迄には終了します。刈り取り後、すぐに泥染、乾燥機へと移されます。
い草の乾燥には15~16時間かかります。前日乾燥機にかけたい草が、当日の泥染の終わったい草と入れ替えられます。収穫の間は、休む暇もなくフル回転で動かなければなりません。
来月はこの収穫後の作業をお伝えします。
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こだわり国産畳表の生産者

い草農家 上永さん
生産歴40年、120アールの畑でい草を栽培します。「愛情を込めた製品づくり」がモットーです。

い草農家 酒井さん
生産歴23年、ひのみどり育成のための勉強会を開くなど、勤勉家の酒井さん。「喜ばれる製品づくり」をめざしてい草の育成に励んでいます。