2007年6月
畳までもう一歩、収穫間近です。「良いい草」について教えていただきました。
この一ヶ月間のい草の生長は驚くほどです。膝長けだったものが、顔の高さに迫ってきています。い草田んぼに入ると、もう頭の先がひょっこりと見えるくらいになってしまいました。今月は、収穫を目前に「良いい草」の条件とは、いったいどのようなものか、お伺いしました。
「長さ、太さ、色艶、弾力など、い草の良し悪しを見分けるには、様々なポイントがあります。長さでいえば、高級品生産のためには140cm以上の長さが必要ですね。
太さについては、先端および根元の太さがそろい、1本1本の太さが揃うことが必要。
乾茎の色沢は銀白色から淡緑色の範囲で光沢を有するもので、変色が目立たないこと。
そして硬すぎず、軟かすぎず、弾力のあるものが良いですね。」
その高級品となる140cm以上のい草はどれくらいとれるのでしょうか。
「一つの田んぼに、長いい草も短いい草も一緒に生えています。収穫後に10cmごとに区分けします。140cm以上のい草はだいたい2割程度ですね。畳表が、一反(約1,000平米)あたり70~80枚とれます。
120cm以上を『長い』と呼び、上級品に使われますが、120cm以上、130cm以上がそれぞれ3割づつとれます。それ以下の長さは並品になります。」
では、この良いい草を使った畳表は何が違うのでしょうか。
「上級品のい草で織り上げられたござは、数年後に良さがわかります。日焼け、黄金色(あめ色)で光沢がある畳になります。」
生産者の方々からはそろって、この様な返事をいただきました。確かに、高級品とされる畳表は使っているうちに、初々しい青畳から、落ち着いた、深みのある色艶に変わってきます。
このような畳を仕立てられるのも、長年、い草を育ててきた生産者の方の眼識のおかげです。
こだわり国産畳表の生産者
い草農家 上永さん
生産歴40年、120アールの畑でい草を栽培します。「愛情を込めた製品づくり」がモットーです。
い草農家 酒井さん
生産歴23年、ひのみどり育成のための勉強会を開くなど、勤勉家の酒井さん。「喜ばれる製品づくり」をめざしてい草の育成に励んでいます。