



2007年4月
先刈り。せっかく育ったい草を刈ってしまうんですか?
3月末からの一ヶ月間で、い草は驚く程生長しました。所々見えていた地面もい草の茎に隠れ、丈は腰近くまで伸びています。
けれども、イ草農家の上永さんはせっかく伸びたい草を膝ぐらいの高さでいっせいに刈ってしまいます。いったいどうしてでしょう。
「こうして伸びた苗の茎を刈り取る作業を『先刈り』と呼びます。先刈りは、苗の成長を止めて、新芽の株分けを促す効果があります。新芽の株を増やせば増やすほど、豊作になります。」
古い苗の茎と新芽ではどのような違いがあるのでしょうか?先刈りをしないとどうなってしまうのでしょうか?
「先刈りをしないとい草が130cmから140cmまで成長し、止まります。それと同時に新芽も成長をし、古いい草と混じり合います。い草刈りではその区別は出来ませんが、土染め乾燥し、製造したらムラが出て来てしまいます。」
先刈りは、収穫(い草刈り)の日を決めて、その65~70日前に行われます。例年は五月上旬におこないますが、今年は暖冬の影響で10~20日程早まりました。
「暖冬の場合、収穫量は増えますが品質が低下しがちです。けれども先刈りをしてからの気候、気温次第ですね。また、対策として肥料のやり方で調節します。」
いい畳表ができるかどうかも、新芽が伸びるこれから次第ということですね。
こだわり国産畳表の生産者

い草農家 上永さん
生産歴40年、120アールの畑でい草を栽培します。「愛情を込めた製品づくり」がモットーです。

い草農家 酒井さん
生産歴23年、ひのみどり育成のための勉強会を開くなど、勤勉家の酒井さん。「喜ばれる製品づくり」をめざしてい草の育成に励んでいます。