2007年3月
良質な畳表を作るために大事な土壌の話。そして暖冬の影響は?
い草もぼうぼうと茎が伸び、田んぼも緑ががってきました。八代にも春の陽気が漂っています。
先月のい草の品種のお話に引き続き、今月はい草づくりに必要な土壌づくりのお話を伺いました。い草に理想的な土壌とはいったいどのようなものなのでしょうか?
「い草は湿地性の作物です。粘湿土で良好な排水がのぞまれます。当然たくさんの水を使用しますので用水が必要です。八代では日本三大急流のひとつである球磨川(くまがわ)の豊富な水でまかなっています。」(酒井さん)
八代の自然の恵みが、い草の育成には欠かせないのですね。
い草田んぼを見ていて気になるのが裏作。い草を栽培していない時期に稲など他の作物を植え付けたりしていますが田んぼによくないのでは?
「い草はたくさんの肥料を使用しますので、裏作はあった方が良いと考えられます。一般的には水稲が多く、麦や路地野菜・れんげ等の地力増進作物等でブロックローテーションをすると、品質の良いい草ができます。」(酒井さん)
また、近年は機械化が発展した一方で、その影響を受け土壌が固くなりがちなのだそうです。深くまで耕し、柔らかい土壌を作ることも大切な作業なのだそうです。
今年は例年にない暖冬でしたが、やはりい草の生長にも影響があるのでしょうか?
「 桜の開花が早まったように、い草の生育も進んでいます。
い草は、寒い11月~12月に植え付け1月~2月は地干しを行い根作りの時期です。この時期地上部の生育が進みすぎるのは、決して良いことではありません。」(酒井さん)
と、少し不安なお返事をいただきましたが、春先からはい草がぐんぐん伸びる時期です。これからどのようにい草が生長するか楽しみですね。
上永さんの田んぼの様子
田んぼが大部緑々しくなってきました。
こだわり国産畳表の生産者
い草農家 上永さん
生産歴40年、120アールの畑でい草を栽培します。「愛情を込めた製品づくり」がモットーです。
い草農家 酒井さん
生産歴23年、ひのみどり育成のための勉強会を開くなど、勤勉家の酒井さん。「喜ばれる製品づくり」をめざしてい草の育成に励んでいます。