2007年1月
い草田んぼは変わらず。今月は畳と農薬の話。
1月のい草の様子です。ほとんど苗植の時から茎は成長していないように見えます。けれども、地面の下では春の成長に備えて根がすくすくと伸びているんですね。
この時期は除草剤を撒く期間でもあります。今月はこの農薬について農家の方に伺いました。
い草に使用される農薬は「除草剤」と「防虫剤」の2種類があります。
『雑草も、害虫もい草の育成を阻み、最終的な畳表の仕上がりの品質を落とします。
い草の代表的な害虫に、シンムシガと呼ばれる虫がいます。い草の根本から茎の中を食い進み、い草を変色させたり刈らせたりしてしまいます。このように変色したい草が紛れ込むことで色味にばらつきが出てしまうんです。』(上永さん)
『い草に使用される農薬はお米や、野菜にも使われるもの。さらにその標準的な使用量は野菜に使用される10分の1ほど。さらに雑草や、虫の成長を見計らって適切な時期に農薬を散布することで使用量・回数を減らしています。
適正に使用することで、安心で質の高いい草を育てることができるんです。』(酒井さん)
酒井さんの田んぼでは、全て手でい草を植えます。
大変な作業ですが『質の悪いい草が混ざらないように一つ一つ確認して植える』というこだわりです。
上永さんの田んぼ。毎月この位置から撮った写真を掲載しています。田んぼに点々と置かれている緑の棒は、いわば「かかし」の役目。鳥が近づかないようにします。
こだわり国産畳表の生産者
熊本県八代市千丁町
い草農家 上永さん
生産歴40年、120アールの畑でい草を栽培します。「愛情を込めた製品づくり」がモットーです。
熊本県
い草農家
い草農家 酒井さん
生産歴23年、ひのみどり育成のための勉強会を開くなど、勤勉家の酒井さん。「喜ばれる製品づくり」をめざしてい草の育成に励んでいます。